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”いのち”のすくいかた

副作用で気が滅入りかけているところへ、とても嬉しいことがありました。

どうぶつフォトジャーナリストの児玉小枝さんが、このたび新刊を出版され、取材に協力させていただいたご縁もあって、私に贈ってくださったのです。
ポストを見て、ドキドキしました。




“いのち”のすくいかた 捨てられた子犬、クウちゃんからのメッセージ (集英社みらい文庫)


子ども向けの文庫ではありますが、かつては子どもだった大人の方にも読んでいただきたい、という児玉さんの思いが詰まっています。


この本に登場するクウちゃん・・・実は、行政の収容施設にいる間、日常のお世話をさせてもらったのです。
今も昔も保育士をしている私ですが、以前の職場と今の職場の間に「保育士として働いていない空白期間」があり、その空白期間に民間の動物保護団体のボランティアをしていました。そこでお声掛けをいただき、ボランティアから職員として働かせていただくことになりました。
ボランティアで2年間、職員として7年間、捨てられた犬猫たちに関わってきました。
新しい飼い主探しと日常の譲渡候補動物の飼養管理が仕事でした。


クウちゃんが、今、どれだけ幸せかというのは、本を読んで写真をご覧いただくと、充分に伝わってきます!
かつて関わらせていただいた者としては、涙なしには見られません・・・

それに、児玉さんの撮影された写真がまたどれも素敵で。

写真を撮る者としても、勉強させていただいています。


その、素敵な写真の中に、私がクウちゃんを抱っこしているところも入れていただいていて・・・
でも、よく見ると・・・
首に「阪神タイガース」のタオルを巻いている私・・・(よく見ないとわかりません)


でも、さらによく見ると・・・
クウちゃんのお家のソファにも「阪神タイガース」のクッション発見!


捨てられた犬猫たちの新しい飼い主探しで一番大切なことは、『最後まで責任を持って一緒に暮らしてくださるご家庭に、そのご家庭に合った動物を譲り渡す』ことです。適正譲渡、といいます。
救われた犬猫だけが幸せになるのではなく、共に暮らすご家族にも幸せになっていただきたいのです。

そのためには、厳しいことも数々助言させてもらってきました。
「留守時間が長くては子犬を迎えていただくことはできませんよ。3~4時間ごとに給餌が必要なのに、長時間労働では、だれが子犬の世話をするのですか?」
「中型犬がご希望ですが、散歩時間が10分となっていますが、10分では元気な中型犬の散歩時間としては短いのではないでしょうか?もっと犬のお世話に時間をかけることはできませんか?」
等々。


世間一般の人の多くは、とても安易に犬や猫を飼っています。
だって、お金さえ出せば、簡単に購入できるんですもの。
ペットショップではいちいち飼い主の審査はありません。

でも、その結果、また安易な理由で手放される犬猫も多いのです。
私がボランティアを始めた頃は、犬については雑種が保護収容されることが多かった印象がありますが、職員として働く頃には、純血種の小型犬が多くなってきていました。

捨てられる犬を見れば、嫌な言葉ですが、ブームがわかります。

マルチーズ、シーズー、ポメラニアン、ヨーキーから、ここ数年ではトイプードル、Mダックス、チワワ・・・まさにブームの犬がやってくるのです。


こういった悪循環を繰り返さないためにも、多くの人に関心を持ってもらいたいし、現実を知ってもらいたい。

是非、多くの方に、児玉小枝さんの本を読んでいただきたいと思います。



ちなみに、我が家のナラもメレも、クウちゃんと同じ、動物管理センターの出身です。
ナラは迷子犬として、メレは飼い主の飼育放棄で、動物管理センターにやってきました。

ナラもメレも幸せを感じてくれているかな・・・
私たち人間は、ナラ・メレに出会えたこと、とても幸せに思っています。


闘病とは関係のない話題でしたが、最後まで読んでくださってありがとうございました!


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追伸:闘病生活を考えるともう二度と犬や猫を飼うことはできない、と思っておられる方の記事をSNSを通して拝見することがあります。「最後まで責任を持つ」ということから言うと、とても正しい判断をしておられるのだと思います。でも、一方で、犬や猫と暮らすことが生きがいになる、というお気持ちもよく理解できます。すべての保護施設ではありませんが、自治体の保護収容施設(保健所、動物管理センター、動物愛護センターなど名称は自治体によって異なります)では、施設に保管することができない(スペースがない、人手がない、夜間のお世話ができない等の理由)犬や猫の譲渡ができる状態になるまでの一時預かりボランティアを募集しているところがあります。
また、民間の保護団体でも、新しい飼い主が決まるまでの一時預かりボランティアを募集されているところがあります。

飼いたいけど飼えないとあきらめている方には、ひとつの選択肢として、一時預かりボランティアをご検討いただければと思います。
私も、自分のいのちある限り、自分にできることをやりたいので、今いるナラ・メレを看取った後は、一時預かりをしたいと考えています。(猫とも暮らしたいけど猫は長生きするので・・・)

あ、ちなみに、ナラは、一時預かりボランティアとして、我が家で預かったのですが・・・
ご縁があって家族として迎え入れることになりました。こういうご縁もありますが、その後、我が家で預かった子犬・子猫たちは、みんな幸せに巣立っていきました。

離れるのが淋しいという気持ちは、初めのうちはありましたが、だんだん冷静に「幸せになるんだよ!」って送り出すことができるようになりました。
幸せになってくれていることが、今、何よりの幸せなんです!

本当は、こういうボランティアが必要ない時代がくるといいなと思っています。
今はそれだけ、不幸な犬猫がいるということです。



by miyonara | 2015-06-05 15:51 | 雑感
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卵巣がん(明細胞腺がん)が3年の時を経て再発。わたし色の豊かな人生を目標に☺


by みよちん
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