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淋しいはずなのに食欲が!

お葬式って・・・
誰のためにするのだろう???

今回、義父と義母の葬儀を2ヶ月と間が空かずに経験して、ふと考えたのです。

義父は、去年の3月、デイサービスで撮ってもらった写真を
「これを遺影写真に使ってくれ」と笑いながら私たちに託しました。
肺がんの治療中とはいえ、まだ元気だった時のことです。

こんなふうに、遺影写真を自分で選ぶっていうのも、お葬式に対する自身の覚悟というか・・・
死んでしまった自分にはもうわからないことだけれども、できればこんなふうに送り出してほしい、
という考え方ならば、それは故人のための儀式と言えると思います。

でも、一方で、具体的には故人が生きている間には何も決めずに、亡くなった後に遺族が、
お花をたくさん飾ってあげたい、とか、遺品展示コーナーを作って思い出の品々を見てもらって故人を偲んでもらいたい、とか、そんな考え方は、遺族や親族のための儀式と言えるのかもしれません。例え故人のため、という思いがあっても、ああしたいこうしたい、と決めるのは遺族ですから。

別に、どちらのためであるかを決めたいわけではないのです。

自分たちが、お葬式を出す立場になって、私は初めて思ったのです。
お葬式というのは、故人のためのものであり、遺族のためのものでもある儀式だ、と。
(もちろん、お葬式など不要という考えをお持ちの方も世の中にはおられるでしょうから、それはそれでよいのです。
ご本人がお葬式を望まず、遺族がその考えを受け入れられるなら、それがその家族の形なのですから)


私たち家族も、具体的なことを話し合っていたわけではないのですが、
義父や義母が生きている間から、「家族葬でいいよね」という程度のことは話題にしていました。
参列するのは家族と親しい親族のみ。


そして、家族葬って、費用の面でもそう高くないのでは、と勝手に思っていました。
介護にお金かかるんやから、死んでから葬式でまでお金かけなくてもいいやん、と思っていました。

しかし。

しかし、ですね。
今回、経験してみてびっくり。

家族葬って、あくまでも、参列者が少ないってだけのことで、
祭壇とかお花とか棺とか霊柩車とか会場費とか諸々の費用って、参列者が多かろうが少なかろうが、絶対にかかる費用なんですよね。
参列者によって変動するのは、会葬礼状や粗供養の数、通夜・告別式の参列者にふるまう料理等の飲食代くらいなので、
純粋に葬儀そのものにかかるお金とは別なんですね。
なので、家族葬だから安上がりって考え方は・・・正しくはないのです。
(火葬のみにして葬儀をしない、とか、祭壇とか作らず棺だけとかなら別ですが)


それでですね、さすがに大きいお金が動くからかもしれませんが・・・

葬儀屋さんのサービスが、すごい!
とても行き届いているのです。
(ただし、選ぶ葬儀屋さんによると思いますが)

予め、葬儀屋さんまで決めていたわけではないので、義父が亡くなった時に、どこにお願いしようか迷いました。
病院で紹介してくれるのかと思っていたのですが、市立病院ではそんなことはしてもらえず、
『タウンページで探してみてください』とタウンページを渡されました。
たしかに、病院では、特定の葬儀屋さんを紹介するなんてできないんだろうな、と納得。
いくつもありますもんね。

主人と相談して選んだ葬儀屋さんは、タウンページにも大きく載っていてわかりやすくて、知名度もあるところのうちのひとつ。
葬儀会館が病院からも近い、というのも重要なポイントでした。
自宅の近くにも葬儀会館はあるのですが、参列してもらうであろう親族のことを考えると、義父の病院に近いほうが、距離的な面で皆さんにも来てもらいやすいかと考えました。

結果、どうだったかというと・・・

我が家にとっては、大正解でした。

担当の人ひとりひとりが本当にきっちりされている。
義父の時も、義母の時も、こちらが不快な思いをすることが、まったくなかったのです。
遺体の引き取り、打ち合わせから葬儀を終えるまで。
いえ、葬儀を終えてからのフォローにいたるまで。
プロの仕事を目の当たりにさせてもらいました。

義父のため、義母のため、と思っていた葬儀でしたが、私たちのためでもあったんだと思わせてくれるほど、あらゆる面での気配りが、本当にありがたかったのです。

昔と違って、こうでなければならない、というお葬式ではなく、故人や家族の希望をできる限り叶えるようなお葬式が増えているのだと聞きました。家族葬ということもあって、私たちは、義父の時は遺品展示コーナーを作ってもらいました。(同じようにしないと義母がひがむので、義母の時にも用意してもらいました)
これは、参列してくださった方には喜んでいただけました。


義父の時の遺品展示コーナーは式場の入り口横に設置してもらいました。
アルバムのほかは、日頃使っていた杖、帽子、カバン・・・
あと、元気になったらもう一度デイサービスに行きたい、とよく言っていたので、
デイサービスで使用していた上履き(名前と一緒にトチの絵が描いてある)、私が作った上履き入れ(デイサービスで自慢してくれていたもの)、そして、デイサービスの連絡帳も。
帽子は犬の散歩の時や外出の時に被っていたもの。
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写真の大型犬は秋田犬だそうな。(純血???)
主人が生まれる前から、秋田犬を2頭、室内飼いしていたっていうから、かなり犬好きだったんですよね。
この秋田犬2頭は親子らしい。どっちかが何かのチャンピオン犬だったと、義母はよく自慢してた。


義母の時の遺品展示コーナーは、式場内に設置してもらいました。
参列してくださった介護施設の方々も釘付け。

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『好物弁当』も、棺に入れるまでの間、きちんと保管してくださっていたし、義父の時の経験を踏まえて義母の時にはお供えの中に加えてくもらえたし・・・

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義父の時は、7年前に亡くなった犬の『トチ』の写真を私が持って座っていたら、我が家にずっと来てくださっているお寺さんがトチのことを覚えてくださっていたこともあってか、一緒に参列したらいいじゃないかと言って、お寺さんがすぐそばにトチの写真を置いてくださったり。


義母の時は、遺体安置の時から、義母のお気に入りの犬のぬいぐるみを抱っこさせてもらって。
過去の数々の入院期間やショートステイ、ミドルステイなど、本物の愛犬メレと一緒にいられない淋しさを少しでも忘れられれば・・・と我が家に置いてあったぬいぐるみ。よく見たら垂れ耳で、色こそ違うけど、メレにそっくりかも。
このぬいぐるみをメレだと思って、よく語りかけていたなあ・・・

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車椅子で参列した私の実父に対しても、火葬場へ行くバスの乗り降りでのフォローなど、家族以上に気配りをしてもらいました。


あと、びっくりしたのは、お料理です。

食事をさせてもらうお部屋のすぐ隣が厨房なので、温かいものは温かいうちにいただくことができるのです。
感激したのは、告別式の日。
目の前で天ぷらを揚げてもらえるんです!
ホテルや料亭のコース料理やん!←もちろん、お金かかってるわけですが・・・

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食事って、仕出し屋さんのお弁当というイメージしかなかったんですが、ここの葬儀屋さんの場合は、自社のどこの会館でも必ずこのように厨房と料理人の人がいて、格別のおもてなしを提供されているのだとか。

故人との別れが悲しく、淋しいはずの通夜、告別式。

なのに、お料理がおいしいもんで、食欲が倍増!!
そして、おいしいものだから、話も弾みます。
おとうさんてこんなんやったな、おかあさんてこんなんやったな、って。
故人を話題においしいものをいただく・・・これ、もしかしたら、最大の供養かも???(最大は言い過ぎ??)

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実父が、お腹いっぱいで食べられない、と言ったお肉。
実母が、「あんた、食べるか?太るで。」と言いながら、お皿を私に渡してきた。

食べました・・・

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おいしい料理は、悲しみや淋しさを慰めてくれるんですよね。

通夜や告別式でやつれるかしら、と思っていたのに、実際は・・・

太ってしまったかも・・・


こんな調子やから、エレベーターでものすごい太ったおばさんに出会う羽目になったんやんかー。


by miyonara | 2016-07-10 23:44 | 家族
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卵巣がん(明細胞腺がん)が3年の時を経て再発。わたし色の豊かな人生を目標に☺


by みよちん
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