不謹慎な嫁だと思われますか
今や葬儀の場でもスライドショーって普通なのでしょうか???
15枚ほど写真をお借りできれば準備いたします、と言われて、
結婚式みたい・・・と思っていたのですが、故人を偲ぶという意味では、
決して場違いなプログラムではないことが、今回の経験でわかりました。
あんなこともあったな、こんなこともあったな、と家族は思い出すことができるし、
参列者の方々にも故人の生きてきた足跡を一緒に確かめてもらうことができます。
義父の時は、BGMに『涙そうそう』。
この曲、私の大好きな曲なんです。
葬儀屋さんが選んだ曲ですが、まさか私の好きな曲にハマるとは。
メールの着メロもこの曲にしているので、後になってから葬儀屋さんビックリ。
嬉しい偶然ですよね。
託した15枚の写真は、順番をこちらで指定すれば、その順番どおりにスライドショーに
してもらえます。
画面上でも押したり引いたり・・・故人にスポットが当たるように、
段々故人の顔がアップになっていったり、逆に引いていって一緒に写っている人もスクリーンに現れたり。
義父の時は、曲が良かったこともあって、途中から号泣した私。
ところが。
義母の時にですね、ちょっとしたハプニングがありまして・・・
義母の時のBGMは、『川の流れのように』。
まあ、2ヶ月近く前に1回やってますから、曲が重ならないようにという配慮はあったと思うのですが、こちらも名曲。
信じられないくらい若い時の義母の写真からスタートです。
今回、どちらのスライドショーも写真の選択は長男(一人っ子)である主人が行いました。
犬好きな両親だったから、犬も一緒に写っている写真がいいな、とか色々考えて選んだようです。
あと、私の知らない頃の、主人が幼い頃の家族旅行の写真とか。
よく見たら、参列してくださっている親戚の方も写っています。
どんな写真を選別したか、私は事前にチェックしていなかったので、当日の上映のお楽しみ、でした。
家族旅行の写真を見ると、義母が当時の雑誌『週刊女性』を小脇に抱えて、船の上でポーズを取っている写真なんかもあって、時代を感じるなあ・・・と思っていました。
家族写真ですから、必然的に、先に亡くなっていた義父も出てきて、再び涙が・・・という展開になると思いきや。
それは、突然やってきました。
画面が切り替わった途端・・・
これ誰???
という写真が出てきたのです。
いえ、義母を偲ぶスライドショーなんだから、義母の写真に決まっています。
ですが・・・
申し訳ないけど、どうにも、酷い顔の写真なんです。
和泉元彌の母か?
と思いました。
某国の将軍様か?
とも思いました。
いえ・・・
やっぱり、義母です。
なにこの酷い顔・・・
そして、あろうことか、その顔が、段々アップになり、迫ってくるではありませんか!!!
ブブブーッ。
信じられないことに・・・
嫁の私は、吹き出してしまいました。
でも、通夜の席で笑うなんて、あり得ません。
あってはなりません!
咄嗟に、私は、出てしまった声が笑い声だと悟られないために、
目頭を押さえました。
そうです。
泣いている演技に徹したのです。
本当は、笑いで体がピクピク動いているのに・・・
泣いて震えているかのように装って。
こういう時・・・
笑ってはいけない、と思えば思うほど、皮肉にも笑いがこみあげてきて、止まらなくなります。
なにゆえ、主人は、こんな顔の写真を選んだのか???
まさか・・・ウケ狙いか???
この、笑い地獄のスライドショーは、通夜と告別式の参列者が違うという理由で、
義父の時とは違って(告別式のみの上映)、両日ともに上映されることとなり・・・
翌日の告別式でも、私は、泣く演技を繰り返すことになったのです。
主人には、セレモニーの後、抗議しました。
なぜ、あんな写真を選んだのか???と。
「そんなに変やった???」と返ってきました。
そうか・・・
自分の母親だから、実の息子には、そんなに酷い顔には思えないんだ・・・
遺影写真を生前に選ぶ人は多いと思いますが、こういったプログラムのために、
スライドショーの写真も、生きている間に自分で選んでおいたほうが良いのだということを学んだ次第です。
by miyonara
| 2016-07-17 13:20
| 家族